「愛と感動で女性を美しく」
レディースのアパレル領域において、製造から店舗展開まで幅広く手掛けるラブリークイーン。フォーマルウェアの市場では、トップクラスの業界シェアを誇る。近年は東京〜大阪までのエリアを中心に積極的に自社の店舗展開を進める。また、この1年で大きな変化を迎えた同社のこれからを語って頂いた。
代表取締役社長 井上 真典
1972年3月4日 岐阜県岐阜市生まれ
高校時代のオーストラリア留学などの経験からより一層視野を拡げる。大学卒業後は名古屋の商社にてアパレル営業を学び、2001 年に現在のラブリークイーン株式会社に入社。企画部、システム室、管理本部、マーケティング室などを経験したのち、2009 年6 月代表取締役社長に就任。趣味は子どもと一緒に行く空手、愛犬に連れて行ってもらう散歩など。現在はフライボードに夢中。
お客様への想いをカタチに
本日は宜しくお願いします。御社の事業内容を教えて下さい。
井上
レディースフォーマル&ミセスファッションの企画・製造・販売を行う我々の活動は一見、服を作り販売する「モノづくり」のように思われますが、実はお客様が楽しんで着て頂く「コト」を販売しているのが本来の姿です。社員から「どうしたらイイ商品がつくれますか?」と質問されることがありますが「よい商品を作ろうと思うな。お客様である女性が商品を着たときに、どんなシチュエーションでどういうキモチになって欲しいのか、実際のシーンを思い浮かべて作って欲しい」と伝えています。
大切なのはファッションを通じて女性が美しくなり、楽しんで衣服を身に付けて頂ける方法を具現化し考え抜く事です。それを続ける事が結果としてすばらしい商品の誕生に繋がると考えています。
歴史から学ぶ、続けていくべき活動
井上社長のこれまでの歩みを教えて下さい
井上
弊社は私の父親が創業者でしたが、正直に言うと大学時代まで継ぐつもりはなかったんですよ。 祖父には子供の頃から「お前が継ぎなさい!」と言われていたような気がしますが、父親からは、将来に対してどうこう言われた事ってなかったように感じます。
学生生活も終盤に差し掛かり、就職活動をするようになってから将来は会社を継ぐのかな。と少しずつ意識するようになり、まずは外の世界で勉強しよう!と新卒でアパレル関連の会社に入社しました。6年間勤務して、その後ラブリークイーンに入社しました。2009年に代表取締役に就任して現在まで会社の舵取りをしています。
前職が同業ということもあって、入社当時は前職の企業とを比較する材料はいくらでもありました。けれど、それをどうこう言うのではなく、ラブリークイーンらしさ、ラブリークイーン流とは何か、どんな仕組みでこの会社は50年間商売を営んできたのか、自社の歴史やこだわりをキチンと知ることが大切だと思い、代表就任後の3年間は当時やっていた活動をそのまま引き継ぎ、スムーズに移行することを強く意識して取り組みました。現在は私自身も自ら目標を設定して、社内で公言します。大きな目標を掲げて、メンバー一丸となって強く意識する。これからのラブリークイーンを創り上げる為には妥協なく経営しなければなりません。
他社に先駆けて
他の企業とはココが違うんだ!という点はありますか?
井上
我々はいつでもどこでも素早く仕事に取り組めるようクラウド環境の整備を行ってきました。 例えば、全社のメールシステムにGoogleを導入して携帯でも自宅のPCでも情報を確認できるように整備したり、行政と一緒になって店頭の売れ行きを管理するシステムを開発しました。 その他にも、ボイスメールを導入して簡単且つ迅速に報告・連絡・相談ができるような仕組みも整えました。
私から幹部社員へのボイスメールは1日10通を超える時もあります。かなり頻繁に活用していますね。「一方的に送っただけで相手が確認していない」といったケースを招かないよう、メンバーは必ず1日3回はボイスメールをチェックするよう徹底しています。
IT化を進めた事で以前に比べてレスポンスが早くなり、管理工数も削減しました。導入してよかったなと思っています。個人的には、この感覚を知ってしまった以上、以前のシステムに戻れないほど便利さを感じてますね。
お客様に携わる
組織として、大きな変化があったようですが、今後に展開を教えて下さい
井上
この1年で体制含め組織が大きく変化しました。過去に記憶にない程、かなりの変化で、社内のメンバーにも戸惑いも大きかったと思います。
今後はお客様と直接関わる事ができるような流れを作りたいと考えています。
具体的には直営店舗の出店です。東京〜大阪までのエリアを中心にお客様にお越し頂ける機会をつくりたいと思います。また、現在展開しているインターネットを通じての商品販売については「直接会って接客を受けるような」感覚をお客様に持っていただけるよう取り組んでいます。購入を検討しているお客様からは日々多くの質問等が寄せられます。お客様の抱く疑問や不安に対して、安心・納得していただける丁寧な説明を徹底しています。
お客様がお求めになっているものは何か?的確に把握して、ラブリークイーン流のご提案をすることで、ご購入いただいた後もお客様の大切な思い出の1ページに残るようなお手伝いをしたいと考えています。
いつまでも社員が幸せであること=潰れない会社であること
今後、ラブリークイーンをどんな会社にしたいとお考えでしょうか
井上
弊社は、役員・事業部長を含めた10人で経営会議を行っています。その中のメンバーで私が今後どのようにしていきたいのか等の経営方針に関して社長がいま何を考えているのかわからないというメンバーは1人もいないと思います。情報を共有する事を大切にしており、会社の現状やメンバーへのリクエスト等、1日に10回以上は私から情報を発信しています。うっとうしいぐらいかもしれませんね(笑)40人の幹部にも伝達する等アウトプットの量には特にこだわっているからです。
これだけ信頼ができて、頑張ってくれている社内のメンバーが幸せになることを強く望んでいます。その為にも、100年後もその先もメンバーが安心して働ける会社を創る事が僕自身の夢というか願いですね。安心して働ける会社=潰れない会社づくりをしていきます。
若者へのメッセージ
就職活動中の学生を始め、多くの若者へのメッセージをお願いします
井上
命=人生=時間=仕事
最近では定職に就かずアルバイト生活を送っているニートが増えているという話をよく耳にしますが、まずはとにかく社会人になって欲しいと思っています。日本の国力を強くするためには社会人になることが絶対的な条件だと思うんです。一人一人が社会人として働く事で必ず日本の支えになっているハズです。どんな仕事もそれは変わらない。直接お客様と関わる事が少なかったり、最初はやりがいが見つからないと思うこともあるかもしれませんが、自分が日本を支えているんだという意識を持ち、傍観者ではなく、自分たちの手で日本を良くするという気持ちを強く持って欲しいですね。
命=人生=時間=仕事、すべてイコールです。
生きている時間の大半を多くの人は仕事をして過ごします。仕事がつまらなかったら、人生が楽しいと言えないと思います。自分の人生の為にも仕事を楽しんでもらいたいですね。
ラブリークイーンのメンバーへ
社内のメンバーの方に対してメッセージがあればお願いします
井上
以前、各事業部に「明確な目標を立ててそれぞれの日本一を目指してください」と指示しました。当然、競合他社のライバルが存在します。私はそれぞれの事業部において日本一を目指し、最終的には日本一の事業部が揃うことで、ラブリークイーンが日本一の会社になれるのだと信じています。みんなで日本一の会社を目指してこれからも精一杯頑張っていきましょう!また、私自身も入社して以来、社員旅行に行った事がありません。みんなで社員旅行に行けるようにいっしょに頑張りましょう!